JR東日本では「地域再発見プロジェクト」を立ち上げ、グループ会社とともにさまざまな事業を展開している。このプロジェクトは、地域との連携を強化し、地域と共に知恵を絞る「共創」戦略の一環である。

JR東日本の鉄道網や首都圏での販路を持つというメリットを活かし、地産商品の掘り起こしや伝統文化、祭り、芸能など、観光資源の紹介を通しての地域活性化を進めている。当社は、モノの視点からこのプロジェクトの一端を担い、ビジネス展開している。

当社は、プロジェクトの一環として、地産品ショップの運営、地産品の卸売、産直市やマルシェの運営等を行ってきた。
この発想の根底には、まだ知られていない地域の魅力を発信することで、地域と首都圏を結び、首都圏の人々に、地域の魅力を知ってもらうことで、実際に現地へ足を運んでもらいたいという思いがある。そうすることによって、人とモノは循環し、地域と首都圏に交流が生まれ、地域が活性化していく。この循環を継続し定着させるには、ビジネスとして成立させなくてはならない。

当社の地域活性化事業では、地産品マーケットを拡大し、地域メーカーと共に成長して地域活性化に貢献していくため、ひとつのプロジェクトが立ち上がった。当社の地産品オリジナル商品を開発し、首都圏の消費者に販売、卸売を行っていくのだ。しかし、地域に根付いているメーカーは、魅力ある商品を取扱っているにもかかわらず、新しい顧客を開拓するチャンスが少ないことが多い。一方、消費者は少しでも優れたもの、美味しいものを探している。私たちの姿勢は一貫して、地域のメーカーと一緒に開発し、共に成長していこうというもの。

地域の食材や食文化を手軽に楽しむことができる商品を開発し、地産品のよさを首都圏の消費者に伝えたい。そして、成長のチャンスがあることも地域メーカーに伝えたい。もちろん、いかに企画が優れていても一過性のイベントでは、真の地域活性化は達成できない。オリジナル商品のターゲットは、駅ナカをよく利用する働く女性。その女性たちにとって、地域の食材や食文化を手軽に楽しむことができる商品を開発したい。地産品のポテンシャルをより伝えるにはどうすればいいのか。手にとってもらうための商品、その開発が課題となった。

幸い、当社は地産品におけるJR東日本グループの首都圏販路の中心として、上野駅と秋葉原駅に地産品ショップ「のもの」や、上野駅中央改札外等で「のもの産直市」を運営している。県庁や地方銀行と情報交換を行ったり、商談会に足繁く通い、情報を集めた。企画を練り、検証した結果、地産品のパッケージに注目した。従来の地産品は、ともすれば年配の方向けのものが多かった。さらに、お土産用の大きな箱で販売することが多い。しかし、コンビニ等で販売し、日常的に食べてもらうには、小さなパッケージで包装してみてはどうか。駅ナカで手にとりやすい、少量食べきりサイズに改良した。また、おしゃれなデザインだけでなく、地域の食材や生産者のストーリー紹介するパッケージにし、作り手の想いをお客さまに伝えられるよう工夫した。もちろん、パッケージだけでなく、オリジナルのフレーバーも開発した。社内でも試食会を実施し、試行錯誤を重ねた。

この結果、消費者のニーズが合致した商品を10アイテムの開発にたどり着いた。満を持し、プロモーション活動を展開し、春の販売開始に向けて取組んでいる。

JR東日本グループは「モノ」を切り口にして、「ヒト」が地域に行きたくなるような観光流動の創造を目指している。鉄道から生活全般に、モノから情報に、ビジネスから文化に、点から面へと活動の幅を拡げ、埋もれたものを掘り起し、光をあてていく。当社は、今後もJR東日本グループの一員として、商社としての企画力や実行力を活かし、地域活性化に貢献できる展開を進めていく。