制服のリニューアルで働く意欲を向上
システム化により納品後の業務軽減を実現

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ビジネスソリューション事業

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リニューアルは丁寧な作業の積み重ね

さまざまな業種・職種で着用されている制服は、職場の顔というべき存在だ。ただし、一口に制服と言っても、現場によって求められる機能やデザインは異なり、お客さまに応じてさまざまなバリエーションを用意しなければならない。しかも、サイズは一人ひとりそれぞれ異なる。リニューアルの案件が出てから納品まで2~3年くらいかかるという大きなプロジェクトなのだ。
制服のリニューアルが決まると、まず社員へのアンケートやトップへのヒアリングが実施され、それに基づいてデザインや仕様について案を出す。それに対してお客さまで検討が行われ、その結果に対応して調整を進める。これを数か月、時には1年以上にわたって何度も繰り返し、細部まで決定して初めて生産工程に入ることができる。
納品の際は着用者ごとに上着・シャツ・ズボンなどワンセットを梱包して渡す。このように、制服は丁寧な作業の積み重ねによって生み出されているのだ。

アフターフォローを担う制服管理システム

制服のリニューアルは納品して終わりというわけではない。納品前に採寸会を行って全員のサイズを確認したとしても、サイズが合わず交換となることもある。また、お客さまは着用者一人ひとりの貸与状況を紙やデータで管理する必要があり、こうした業務に費やす時間と労力は少なくない。
この課題を解決するために、JR東日本商事ではオリジナルの制服管理システムを開発し、2017年に運用をスタートさせた。システムの基幹は全てのクライアントに共通だが、細かいところはお客さま毎に合わせてカスタマイズしている。
「制服の管理は今でもアナログな方法が主流で、紙のフォーマットに記入して上長の了承を取り、次にファックスやメールで本社に送り、そこでOKが出れば本社からメーカーに発注するというようなプロセスが必要になります。一方、システムであれば現場の方が必要な枚数を入力し、承認が出れば自動的に当社へ連絡が来ます」。
お客さまの負荷を大幅に軽減できるのが、このシステムの一番のポイントである。

制服のリサイクルを推進したい

システム導入のメリットはそれだけではない。一例としてセキュリティの向上が挙げられる。制服には1着ずつそれぞれバーコードが縫い付けられており、どの制服が誰に貸与されているかの情報を一元管理できる。そのため、異動や退職などで未返却の制服が出た場合もすぐに把握できるのだ。
また、着用者の制服の所在を把握することは、廃棄する制服の削減にもつながる。しかし、コスト面をはじめさまざまな課題があるという。
「制服はさまざまな素材を組み合わせて作られていますし、社名やロゴが入っているため、リサイクルやリユースは困難です。しかし、これからの時代はそれでもリサイクルを推進していかなければならないと思っています」。
そのような現状の中、廃棄予定だった制服をリサイクルして業務用の軍手にした実績もある。お客さまの思い入れのある制服が生まれ変わった価値ある第一歩だったと彼は考えている。

システムを活用してビジネスの幅を広げていく

制服管理システムによって納品後の運用や在庫管理までサポートできる体制ができ、制服に関しては素材の手配からアフターサービスまで一気通貫のソリューションを提供できるようになった。導入済みの制服に対して制服管理システムを提供することも可能だ。
それに加えて、制服以外での運用も彼は視野に入れている。
「このシステムは、さまざまなことに活用できる可能性があると思います」。
全社員の情報を統一的かつ長期的に把握できるのは、システムの大きな強みだ。活用の幅が広がれば、ツールとしての価値はさらに高まる。
「私たちはJR東日本グループというさまざまな業態の会社が集まる企業集団に属していて、広大なネットワークと豊富な経験を有しています。この強みを生かして、グループ外にも当社のノウハウを展開し、ソリューションの輪を広げていきたいと考えています」。
JR東日本商事は、制服という製品の納品だけではなく、生産から廃棄までのトータル提案を今後も推進していくのである。